カリフォルニアの9月入学

2021年からの9月入学の議論が盛り上がって来ている。日経の記事によると、政府は9月入学にどのような法律を変えなければならないかをすでに調査しているという。また、前年の4月2日から4月1日までに6歳になる子供が小学一年生になるという現在の仕組みから、前年の9月2日から9月1日までに6歳になる子供が小学一年生になるという仕組みにどう移行していくかについても、具体的に二つの案に絞ったという。1年で一気に移行する案だと、最初の年の1年生の数が急増してしまう。5年で徐々に変えていくという案なら、この問題は避けられる。

どちらかの案が良いかと言えば5年間で徐々に移行する案が良いと思うが、どちらの案も誕生日による区切りを学年の区切りと最終的には同じにするという点で、同じである。そこは必ずしも同じにする必要がないので、今まで通り4月2日から4月1日に6歳になる子供が小学一年生になるというのを続けていくのも一案だということはいろいろな場所で話してきた。昨晩の日経CNBCの番組に出演した時にもそのような話をした。例として、カリフォルニアでは、9月1日から学校が始まるのに、その年の12月1日までに5歳になる子供が最初の学年であるKindergartenに入ると言った。

自分の子供たちがカリフォルニアで小学校に入った時にそうだったので、今もそうなのだろうと思っていたが、今日ふと調べてみたら、間違っていたことに気が付いた。なんとカリフォルニア州は2012年から制度が変わって、9月1日までに5歳になる子供がKindergartenに入ることになったのだ。まったく知らなかった。2012年と言えば下の娘がもう高校の最終学年になっていたので、Kindergartenで何が起こっているかはまったく追っていなかった。

ここで、いま日本で起こっている議論と同じ議論がカリフォルニアでも起こった。もっともその世代の子供をもつ親を除けば大部分の人達(我々をはじめとして)はまったく関心を持っていなかったと思うが。9月2日から12月1日に5歳になる子供たちは、Kinderに行けなくなって、1年遅れてしまうのである。その分Preschoolに行くとすれば、アメリカのPreschoolの値段といったら日本の保育園や幼稚園とは比べ物にならないので、相当な負担になる。9月入学になれば半年遅れになる未就学児がでてくるという現在の日本の事情よりももっと深刻な問題が発生したのである。

カリフォルニア州政府はどうしたか。結局Transitional Kindergartenという新しい学年を公立小学校の中に作ることで対応したようだ。これは、現在の日本の9月入学への移行の時にも参考になる例ではないだろうか?2021年の4月2日から9月1日までに生まれた子供はこの移行期の一年生、ゼロ年生とでも呼ぼうか、それとも0.5年生か、に入る。いっそのこと2021年の4月2日から次の年の4月1日までの子供たちをまとめて、ゼロ年生にしても良い。そして将来的には1年生で学習していた内容を徐々に0年生に移していけば、最終的には今よりも半年早く学習を始めることになる。

コロナ・ショックで様々な変化が起こり、これからも著しく世界が変わっていく時に、選択肢として考えても良いアイディアではないだろうか?

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