ゾンビの経済学

2021年5月13日

だいぶ間が空いてしまったが、この間、他のところで経済政策に関するものを書いたりしていたので、そのいくつかをここでもまとめておこうかと思う。

一つは、今日の日経の経済教室。最近よく知られるようになってきたゾンビ企業の概念について、わかりやすく説明をということで、書いた。特に強調したかったのは、ゾンビと言って擬人化しているけれども、企業は人間ではなく、人間が共同して働く仕組みに過ぎない、生産的でなくなった関係を守るために努力するよりも、より生産的な関係にとって代わられるようにすべきだということ。

ゾンビより労働者守れ、という見出しはなかなか良かったと思う。ゾンビより労働者を救え、の方がもっと良かったかもしれない。要するに、ゾンビ企業から労働者を救うという点も重要だと思う。

この経済教室で書いたように、ゾンビ企業の経済学を考え始めてから20年ほどになる。日本語で最初に書いたのは、『現代経済学の潮流2006』の一章だっと思う。日経から本で出した『何が日本の経済成長を止めたのか―再生への処方箋』ももう8年前だ。長い間同じことを繰り返していると知ってもらえるようになるのだと思う。

ただし、それは同じような問題が繰り返されているということでもあるので、今回は問題が大きくならなければよいと思っている。

ゾンビの経済学」に2件のコメントがあります

  1. これまでは会社人間でよかったが、今後は職能(ジョブ)型人間が求められる、とも言えるかも知れません。職能型人間は会社に縛られないので、会社はそのような人間を育てようとせず公的対応が必要、との議論もあり、本記事と繋がるように思います。

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